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京都の老舗「一保堂茶舖」が、都内で唯一の喫茶室をオープン

トーストと日本茶のペアリングを提供する新旗艦店、青山で日本茶と生活をシームレスに繋ぐ

Karin Minamishima
テキスト
Karin Minamishima
Writer/Editor
一保堂茶舖 青山店
画像提供:一保堂茶舖 | 店内
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2025年8月29日、京都の日本茶専門店「一保堂茶舖」が、青山に新しいコンセプトの旗艦店「一保堂茶舖 青山店」をオープンした。日本茶をゲストの暮らしとシームレスにつなぐことをコンセプトに掲げ、売り場に併設された喫茶室では、茶を通じた豊かな時間を体験できる。

メニューには茶や菓子はもちろん、「むしやしない(小腹を満たす軽食)」も用意。和菓子との組み合わせに加え、日常の食事とともに楽しめる日本茶を提案する。

ここでは、多彩な楽しみ方を備えた同店の魅力を紹介していく。

青山で大地の恵みを感じる。

一保堂茶舖 青山店
Photo: Kisa Toyoshima日向をイメージした喫茶室(内覧時の様子)

店内は、喫茶室と売り場で趣が異なる。設計デザインはシークエンス ミヤシタパーク 渋谷(sequence MIYASHITA PARK SHIBUYA)」などを手がけたPuddleが担い、一保堂の茶葉が育つ山あいの茶畑をイメージ。開放感と重厚感を兼ね備える空間で、茶の幽玄な世界に足を踏み入れたような心地がする。

喫茶室は、煎茶や番茶が育つ日なたをイメージ。カウンターの上にある円形の下がり天井は太陽をモチーフにし、和紙を貼り付けた。大きな窓には、茶畑で日陰をつくる寒冷紗をイメージしたカーテンを設置。床は麻布に漆をかけた素材を敷き、茶畑のふかふかの土壌を思わせる感触を演出する。 

一保堂 青山店
Photo: Kisa Toyoshima地中をイメージした売り場(内覧時の様子)

対する売場空間は、茶の木が根を張る土の中をイメージしている。静かで落ち着いた環境の中で自分好みの茶をゆっくり選べる。

抹茶のうま味と余韻に五感を研ぎ澄ませる。

一保堂 青山店
Photo: Kisa Toyoshima「抹茶グーモン」(内覧時の様子)

喫茶室では、菓子付きで3銘柄の抹茶を用意。飲み方も、少量の湯で抹茶を練って作られる濃厚な「濃茶」と、サラリとした泡立ちの「薄茶」を楽しめる。青山店オープンを記念して作られた抹茶「SEIZAN」(1,980円〜、以下全て税込み)は、濃茶と薄茶から選べ、まろやかな後味が特徴だ。

ほかにも、力強く濃厚な濃茶の「雲門の昔」 (2,970円)と、ほろ苦さと甘みのバランスがよい薄茶の「幾世の昔」(1,650円)が味わえる。濃茶メニューは、味わった後の器に湯を足して、薄茶を点て直してもらえる。味わい比べも楽しい。

一保堂 青山店
Photo: Kisa Toyoshima「御菓子司 聚洸」の「琥珀糖」(内覧時の様子)

どれにしたらいいか悩んだら、「抹茶グーモン」(5,500円)をオーダーしよう。一口スプーンで3種の抹茶の濃茶をテイスティングした後、気に入った銘柄の薄茶を改めてゆったりと楽しめるメニューだ。菓子は京都の名店「御菓子司 聚洸」の「琥珀糖」がセット。琥珀糖のやわらかな甘さと、抹茶の力強い余韻のマリアージュを堪能したい。

身近な一皿と日本茶の、新たなペアリングに出会う。

一保堂 青山店
Photo: Kisa Toyoshimaトーストには、旬のフルーツを使用したジャムが添えられる(内覧時の様子)

同ブランドの初めての試みが、パンや稲荷寿司と茶のペアリングを楽しめる軽食セット。「日本茶=和菓子」という常識に着目し、新たに日常の食事とお茶との組み合わせを提案する。セットの茶はさっぱりとした「煎茶」、香ばしい「ほうじ茶」、茶の甘味とうま味を味わえる「玉露」から選べる。

一保堂 青山店
Photo: Kisa Toyoshimaセットで選べる3種の茶(内覧時の様子)

火・金・土曜日は、トーストと茶のセット「トーストとジャム」(1,980円)が登場する。代々木のベーカリー「パン屋塩見」のホロホロした歯触りの香ばしい食パンと、ジャムの名手・田中博子が手がける「クレアパ」のジャムを使用し、みずみずしい日本茶にぴったり合うトーストに仕上がった

水・木・日曜は「だしいなり 海木」のだしがたっぷり染みただしいなりと茶のセット(1,980円)が味わえる。

とっておきの茶を日常に贈る。

一保堂 青山店
Photo: Kisa Toyoshimaつい目移りしてしまう豊富なラインアップ

店内には抹茶をはじめ、玉露、煎茶、ほうじ茶や玄米茶など多種類の日本茶が並ぶ。日々の暮らしに取り入れやすいティーバッグから、贈り物や特別なシーンにぴったりの詰め合わせまで幅広く取り揃える。茶の時間をよりおいしく、心地よくする道具類も販売。茶畑や山をイメージしたグラフィックをあしらった涼やかな「ティーグラス」(2個3,300円)は同店限定商品だ。

一保堂 青山店
Photo: Kisa Toyoshima抹茶がスティックになっていて、気軽に抹茶を点てられる「はじめの一保堂」

売り場ではスタッフが茶葉選びや淹(い)れ方など、ゲストの疑問や要望に応えてくれる。気になる茶があれば試飲もできるので、茶のショールームのような感覚で気軽に立ち寄ってみよう。

一保堂 青山店
Photo: Kisa Toyoshima蕊 SUI Scent Studioが監修した茶の香りを体験できるコーナー(内覧時の様子)

テイスティングやペアリングといったイベントも随時開催する。2026年1月にはキッチン設備を揃えたスペース「ルーム イッポドウ(Room Ippodo)」を麹町にオープンし、⻘山店と連携しながらより多彩に一保堂の世界観が体験できるようになるという。

伝統を守りながら進化を続ける一保堂の精神が浸透した空間で、日本茶の奥深さに触れてみては。

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