REGGAE / DUB club OPEN
Photo: Keisuke Tanigawa | REGGAE / DUB club OPEN
Photo: Keisuke Tanigawa

東京、レゲエバー5選

ルーツからダンスホールまで、いい音楽とうまい酒が楽しめる店を紹介

Kosuke Hori
テキスト: Kana Yoshioka
広告

タイムアウト東京 > 音楽 > 東京、レゲエバー5選

ジャマイカで生まれた、独特のリズムと体に響く気持ちいい低音……。レゲエは、日本でも根強い人気を誇る音楽だ。

ひとえにレゲエといっても、その種類はルーツやダンスホールなど幅広い。本記事ではさまざまなレゲエのかかる店をセレクト。レゲエならではの音響設備、いわゆるサウンドシステムが魅力のヴェニューはもちろん、店主自身がレゲエクルーのMCを務める店舗も取り上げる。

世界は混沌としている。だからこそレゲエを聴いていい時間を過ごしてほしい。

関連記事
新宿「OPEN」が世界中のレゲエファンにとって聖地であり続ける理由
東京、クラブサーキットガイド

  • クラブ
  • 新宿二丁目

REGGAE / DUB club OPEN

誰しもが口を揃えて絶賛する東京の老舗レゲエクラブ「REGGAE / DUB club OPEN(レゲエ ダブ クラブ オープン)」。1970年代にボブ・マーリー(Bob Marley)の音楽に出合って以来、レゲエに身をささげ、自らの足でジャマイカやイギリス、アメリカなどへ出向き、生でレゲエの文化を体験してきた店主の工藤晴康が創り上げた空間は、レゲエという音楽をきちんと人々へ伝えるためにさまざまな工夫がなされている。

注目は、天井まで届くオリジナルのサウンドシステム。店主の工藤晴康がKAWAMOTO AUDIOとともに実験を重ねて制作したもので、空間の細部まで音の粒子を届け、レゲエの素晴らしさを体感できる。

店内には、ボブ・マーリー、リー・スクラッチ・ペリー(Lee "Scratch" Perry)といったレゲエアーティストたちのポスターや絵、レゲエカルチャーにまつわるアート作品などが展示されている。

また、デニス・ボーヴェル(Dennis Bovell)やマッド・プロフェッサー(Mad Professor)、サイエンティスト(Scientist)など、来日公演で日本を訪れた海外レゲエアーティストたちのサインやメッセージがバーカウンター周辺に描かれている。

イベント時は、セレクターがおのおののスタイルでレゲエを中心にプレイ。バンドのライブが行われることもある。

酒に関しては、「濃いと評判なので、酔っ払ってくれたらうれしい」と工藤は語る。おすすめは、ジョッキで提供する生ビール、オリジナルのコーヒー焼酎(それぞれ700円、以下全て税込み)、知り合いの酒蔵から取り寄せている「あさ開」をはじめとした日本酒各種(700円から)。また、「歌うバーテンダー・力武」こと、レゲエシンガーのRIKITAKEMANが作るオリジナルカクテル(800円から)も人気だ。

ここ数年は、従来の客に加えてインバウンドの客も増えている。レゲエが好きなことを共通項に、国際色豊かないい時間を過ごしてほしい。

  • クラブ
  • 乃木坂

Club CACTUS

レゲエをはじめとするカリビアンミュージックやラテン、アフリカンミュージックなど「熱いノリ」の音楽が聴ける老舗「Club CACTUS(クラブカクタス)」。オーナーは、1990年代初頭からレゲエのセレクターやMCとして活躍してきたMOOFIREで、日本のレゲエシーンが盛り上がりを見せていた2006年、地に根を張るように地下の空間に店をオープンした。

日本レゲエミュージック界の重鎮であるランキン・タクシーがオーナーを務める「TAXI Hi-Fi」がオリジナルで制作した圧巻のサウンドシステムを導入。ダンスフロアは比較的広く、DJプレイだけでなくバンドのライブも時折行われる。低音のきいた、いい音でダンスできるのがうれしい。

イベントは月曜日以外はほぼ毎日開催されており、かかる音楽はイベントによって異なる。そのため、レゲエファンはもちろんのこと、ジャンルを超えた音楽好きが足を運ぶ。

店内には、ミュージシャンからもらったという音楽好きの心をつかむビンテージの音楽機材が置いてあったり、店と馴染み深いアーティストたちの作品が展示されていたりする。また、2025年に来日し、同店でDJをしたザ・クラッシュのポール・シムノン(Paul Simonon)のサインも壁に描かれている。アーティストたちとの交流を感じられるのがいい。

おすすめの酒は、日本未入荷のJ・レイ&ネフューによるアルコール度数63%を誇るジャマイカ産のホワイトラム(1,500円、以下全て税込み)。「レッドブル」で割って飲むのが現地では人気とのことだ。加えて、「レッド ストライプ」、エチオピア産の瓶ビール(それぞれ1,200円)のほか、スタンダードな生ビールやハイボール(800円から)などもラインアップ。また、ドイツ産のノンアルコールビール「クラウスターラー」やノンアルコールのカクテルも用意している。

広告
  • 音楽
  • 下北沢

drum song

下北沢駅から徒歩1分に位置するレゲエバー「drum song(ドラムソング)」。街の開発が進み新しい店が増えている下北沢で、昔を思い起こさせるようなカウンターカルチャーの雰囲気を感じられる、ちょっと一杯飲みに立ち寄りたくなる店だ。

オーナーの鈴木薫が10代の頃にイギリスのパンクに目覚め、そこから必然的にレゲエの道へと入っていったのは1980年代のこと。音楽好きと酒好きが高じて、バーをやってみたいと2006年に下北沢に店を構えた。

店名の由来は、レゲエミュージシャンのジャッキー・ミットゥ(Jackie Mittoo)の名曲『Drum Song』。内装の設計やレイアウトは全て自身で手がけた。壁一面に展示されているジャマイカで撮影された写真やビンテージの椅子がウッディーな店内によく合い、心地よい空間に仕上がっている。

店にはルーツレゲエをはじめとしたレコードが大量に置いてあり、いい曲が良質な音響システムから流れる。平日は鈴木が選曲。週末はイベントが入ることが多く、セレクターによる選曲となる。

同店を訪れた際は、ぜひ泡盛を注文してみてほしい。銘柄も充実しているが、石垣島の「八重泉」を「これでもか」となみなみに注がれる、ロックで飲むのがおすすめだ。

気づけば酒に酔って、音楽に酔って。酔いどれ三昧の北沢の夜もいいかもしれない。

  • 浅草

Cowabunga

下町・浅草の少し静かなエリアにある「東本願寺」の裏手に、レゲエを愛する店主・JP-ONEが運営するカウンターバー「Cowabunga(カワバンガ)」がある。元小料理屋だった場所を「焼酎バー」としてスタートさせたのが2013年。コロナ禍を経て、現在のスタンディングバーのスタイルとなった。

東京を拠点に活動するレゲエサウンドシステムクルー・BIG BLAZE WILDERSのMCを務めるJP-ONEは、1990年代にニューヨークへ足を運び、地元のレゲエやヒップホップシーンを体験してきた。そのため、同店ではダンスホールレゲエ、ヒップホップ、R&Bといった音楽が流れているだけでなく、週末はイベントも開催する。

店内には、店名にその合言葉を付けるほどJP-ONEが好むアメリカンコミックス『ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ』のトイや、ラジカセ、ビデオテープなど、1980〜90年代のガジェットが飾られ、センスの良い友達の部屋へ紛れ込んだかのような気分になる。浅草ローカルの客はもちろん、ここ数年はインバウンドの人たちもやってくるそうで、壁に貼られた世界各国の紙幣もいい味を出している。

酒は、タートルのごとく緑色をした、ブルーキュラソーとドライジンをオレンジュースで割ったカクテル「ニンジャタートル」(700円)、ウメとシソをたたいてソーダで割った「梅干しサワー」(700円)、そして飲みやすさ抜群の「アールグレイハイボール」(700円)などがおすすめだ。

広いカウンターに寄りかかり、思わず長居してしまう可能性大の店である。

広告
  • 音楽
  • 赤坂

SPIKE BAR

渋谷で20年以上営業した後、赤坂に移転したミュージックバー。場所柄、平日は赤坂周辺に勤めている仕事帰りの人たちが立ち寄ることが多い。イベントが入る週末は、金曜日はオールジャンル、土曜日はレゲエとダブ、日によってヒップホップやハウス、日曜日はレゲエを軸にオールジャンルと、イベントをめがけてやってくる客に変わる。

DJブースの前に店のステートメントとしてキング牧師の名言「I Have a Dream」が書かれていることからも、ブラックミュージックに対する敬意が感じられる。サウンドシステムは、毎月イベントを開催しているSkyline Soundの「Heart Attack Soundsystem」を譲り受けた。

サウンドシステムを稼働する際は、普段使用してるJBLのスピーカーの音もミックスしながら音作りをしている。ミキサーは、ALLEN & HEATHをセレクト。これらの要素から、良い音が空間に響き渡る。

また、同店は「SPIKE BAR JOINT」というレコードレーベルも運営。現在はレーベル所属のアーティスト・safi.がバーに立ち酒を作っている。カウンターバーに使用している大きな木は、現在は林業を営む店ともつながりの深いアーティストがプレゼントしてくれたものだという。

平日は圧倒的にビール(小800円、グラス大1,000円、以下全て税込み)が人気だが、おすすめの酒はベリー系のリキュールを使用したオリジナルカクテル「ラバーズロック」(1,000円)。ほんのりフルーティーな香りとさっぱりしたソーダの組み合わせが絶品だ。

音楽と酒に酔いしれるなら……

  • 音楽

ライブハウスやクラブなど、ミュージックヴェニューがひしめく街、下北沢。目当てのバンドやDJがいる時に遊びに行くことも多いだろう。ひとまず景気付けにビールを注文する人が多いかもしれないが、少しだけ待ってほしい。その店のオリジナルドリンクやこだわって仕入れている酒をぜひ試してみてほしいのだ。

公演終了後にバー営業を行う会場もあり、普段はなかなか話せない箱のスタッフとの交流も楽しめるかもしれない。また、クラブやライブハウスに加えて、音楽とじっくり向き合えるミュージックバーも紹介する。それぞれ個性にあふれており、ミュージックラバーにはたまらないだろう。酒と音楽を通して、下北沢で特別な夜を過ごしてみては。

  • 音楽

渋谷や下北沢など繁華街にほど近いながらも、どこか落ち着きのある街、三軒茶屋。三角地帯やすずらん通り、淡島通り、茶沢通りなど、ディープで魅力的な飲食店が集まるスポットが揃っている。

本記事では、どこかで遊ぶ前や飲食店からのはしご、帰路に着く前の終着地など、さまざまなシーンにぴったりなミュージックバーを紹介する。静かに音楽に耳を傾けたい夜も、誰かと踊りたい夜にも、立ち寄ってみては。

広告
  • ナイトライフ

多種多様な人が集まる東京の夜は、たくさんの選択肢がある。ふと、いい音楽を聴きながら酒を愉しみたいと思った日には、DJバーに行こう。どんな夜を過ごしたいかは人それぞれ。特集では平日もDJがターンテーブルに盤を乗せ、オーディエンスを盛り上げている店や、店主が密かにセレクトする音楽とともにしっとりと飲める店など、渋谷界隈の名店を紹介する。

  • 音楽

針で引っかいて音を出すというアナログなレコードの手法に、ジャズの音は非常に合う。そして、そこにアルコールが加われば言うまでもない。

本記事では、モダンやニューオリンズジャズを流す老舗はもちろん、フリーやDJカルチャーを通過した新時代のジャズを流すヴェニューも紹介。ジャズという音楽の奥深さにきっと気づかされることだろう。もちろん深いことは考えず、ただ音に身を委ねるのも一興だ。本記事で新たな出合いがあることを願う。

広告
  • 音楽

異国の情緒に浸りたい衝動を満たすのに、東京は最高の街だ。無いものを探すほうが難しいほどに、世界中の郷土料理が集まっている場所であることは周知の通り。本記事では、食だけでなく音楽のライブやDJも楽しめる店を紹介する。アフリカやブラジル、カリブ海地域、モンゴルなど、舌と耳で楽しむ世界旅行へ出かけよう。

※2017年の記事を基本情報のみ確認してアップデート

おすすめ
    関連情報
    関連情報
    広告